2020年3月、証券口座の開設が完了し、いよいよNISAで積立投資を始めようとしていました。
しかし、当時の我が家の貯金を冷静に見直してみると、生活費として自由に使えるお金は、わずか10万円。
NISAや投資について勉強すればするほど、「この状態で投資を始めて本当に大丈夫なのか?」という不安が大きくなっていきました。
この記事では、そんな状態だった僕が、積立投資を始める前に実際に行った家計の見直しや、生活防衛資金を確保するまでの過程を、体験談としてまとめています。
証券口座を開設したけど、すぐ投資は始めなかった
2020年3月、証券口座の開設が完了しました。
当時は旧NISA制度のもとで、いよいよ積立投資を始めようとしていた時期です。
NISAや投資については、書籍や動画、ブログなどでかなり勉強していました。「早く始めたほうがいい」「時間を味方につけることが大切」そんな情報を目にするたびに、気持ちもどんどん前のめりになっていきました。
一方で、証券口座が使えるようになったからといって、すぐに積立設定をすることはできませんでした。
なぜなら、投資を始める前に、どうしても一度、我が家の家計状況をきちんと把握しておきたかったからです。
当時の我が家の貯金状況を見直してみた

まず最初にやったのは、家族全体のお金の状況を紙に書き出すことでした。
通帳を並べて確認してみると、一見すると、それなりに貯金があるようにも見えました。
長女と次女の貯金は、生まれたときから毎月10,000円ずつ積み立てており、そこにお年玉やお祝いでもらったお金を追加していました。
さらに、子どもたちそれぞれに学資保険も加入していました。
ただ、ここで冷静になって考えてみると、”それらのお金は、すべて「子どもの将来のためのお金」”です。
もし今、急な出費があったとしても、気楽に使っていいお金ではありませんでした。
実質の生活用貯金は10万円しかなかった
家族全体の貯金を書き出していく中で、僕はある事実に気づきました。
子どもたちの貯金や学資保険を除いて考えると、今の生活を守るために自由に使えるお金は、ほとんど残らないということです。
当時、普通預金に入っていたお金は約10万円。それが、生活費としてすぐ使える、いわゆる「生活用の貯金」でした。
今思えば、「よくこの状態で投資を始めようとしていたな」と感じますが、当時はそこまで深く考えていませんでした。
ただ、数字として現実を突きつけられた瞬間、もし病気やケガ、急な出費があったらどうなるのか、頭の中で一気に不安が膨らんでいきました。
投資は長く続けるもの。途中でお金が必要になり、慌てて売却するような状態だけは、できるだけ避けたい。
そう考えるようになり、「このまま積立投資を始めるのは違うな」と、はっきり感じたのを覚えています。
生活防衛資金がないまま投資するのが怖かった
貯金がほとんどない現実を前にして、投資に対する気持ちは一気に慎重になりました。
それまでは、「少額でもいいから、早く始めたほうがいい」という考えが強かったのですが、いざ自分の家計に当てはめてみると、話は別でした。
NISAや投資について調べていく中で、「生活防衛資金」という言葉を知りました。
生活防衛資金とは、病気やケガ、失業など、万が一の事態が起きたときでも、すぐに生活がたち行かなくならないためのお金のことです。
頭では理解していたつもりでしたが、自分の家系状況と照らし合わせた瞬間、「これは他人事じゃない」と強く感じました。
もしこの状況で投資を始めてしまい、急にお金が必要になったらどうするのか。
そのとき、投資しているお金を取り崩すしか選択肢がなければ、相場の状況に関係なく、売らざるを得ません。
それは、自分が目指している「長く続ける投資」とは、まったく違う形でした。
だからこそ、まずは生活防衛資金をしっかり確保することが、投資を始める前の最優先事項だと考えるようになりました。
毎月5万円以上支払っていた保険を見直した

生活防衛資金を確保する必要性を強く感じたものの、当時の我が家には、すぐにまとまった貯金を用意できる余裕はありませんでした。
そこで次に取りかかったのが、毎月の固定費を一つひとつ見直すことです。
特に気になったのが、保険料でした。
当時、毎月支払っていた保険料を書き出してみると、合計で約6万円。
内容は、家族分の掛け捨て保険、自分と妻の積立型の保険、車両保険、そして、長女・次女それぞれの学資保険です。
それぞれ単体で見れば、「将来のため」「もしものため」と、納得して加入していたものばかりでした。
ただ、すべてを合計した金額を見たとき、この固定費の重さが、あらためて現実として突きつけられました。
毎月これだけの金額を支払い続けている限り、生活防衛資金を一から貯めるには、かなりの時間がかかってしまいます。
そこで僕は、「本当に今の自分たちに必要な保険なのか?」という視点で、ひとつずつ考え直すことにしました。
積立型の保険を解約して生活防衛資金を作った
保険を見直していく中で、最終的に一番悩んだのが、積立型の保険でした。
毎月コツコツと支払い続け、「将来のためのお金」として積み立ててきたものです。
正直、これを解約することには、かなりの抵抗がありました。
ただ、当時の自分にとって一番の問題は、今の生活を守るためのお金が、ほとんどないことでした。
どれだけ将来のために備えていても、目の前の生活が不安定なままでは、安心して投資を続けることはできません。
悩んだ末、自分と妻が加入していた積立型の保険を解約することを決めました。
その結果、解約返戻金として約130万円を受け取ることができました。
当時の我が家の必要最低限生活費は、毎月およそ23万円。
このお金で、生活費の約6ヶ月分にあたる、140万円ほどの生活防衛資金を確保することができました。
将来のために積み立ててきた保険を解約することに、不安がなかったわけではありません。
それでも、自分がこれから目指したいライフスタイルを考えたとき、「今の自分たちには、この保険が必要ない」そう判断しました。
不安はあったけど、今の自分には必要ないと判断した
積立型の保険を解約するという判断は、決して簡単なものではありませんでした。
「将来のために備えること」を目的に、約5年間、毎月コツコツと支払い続けてきたものです。
それを途中でやめることに、迷いがなかったわけがありません。
実際、周りからは「せっかく積み立ててきたのにもったいない」「保険を解約して投資を始めるなんて大丈夫なのか」そんな声をかけられることもありました。
それでも僕は、自分たちがこれからどんな暮らしをしたいのかを、あらためて考えました。
お金の勉強を続ける中で、不安の正体は「お金の知識がないこと」だと感じるようになりました。
先のことが見えないから、必要以上に保険に頼ってしまっていただけなのかもしれません。
また、長い目で見れば、積立型の保険を続けるよりも、時間を味方につけて、淡々と積立投資を続けていくほうが、自分には合っているとも思えるようになりました。
そして何より、勉強を続ける中で、お金は誰かに任せきりにするものではなく、自分で向き合い、整えていけるものだと感じられるようになったことが、一番大きな変化だったと思います。
そう考えたとき、まずは暮らしの土台となるお金を整え、そのうえで無理のないペースで投資を続けていく。
それが、当時の自分たちにとって一番しっくり来る形でした。
投資をしない人にとって、積立型の保険は安心材料のひとつだと思います。
だから、この選択が「正解」だと言いたいわけではありません。
これはあくまで、当時の家計状況と価値観の中で、僕自身が悩みに悩んで出した結論です。
こうして2020年4月から積立投資スタート

家計を見直し、まずは生活防衛資金を確保したことで、ようやく気持ちの整理がつきました。
「これなら、無理なく続けられる」そう思えたタイミングで、2020年4月から旧NISAでの積立投資をスタートしました。
当時の旧NISAは、年間の投資上限が40万円。
4月から12月までの9ヶ月間で上限まで使い切るため、毎月44,444円を積み立てる設定にしました。
あわせて、この頃からiDeCoも始めています。正確な開始月は覚えていませんが、毎月12,000円を積み立てる設定でした。
NISAとiDeCoを合わせると、毎月およそ6万円の積立です。
当時の自分にとって、決して少ない金額ではありませんでしたが、家計を見直したあとだったからこそ、不安よりも「続けられそうだ」という感覚のほうが大きかったのを覚えています。
毎月約6万円を積み立てられた理由
毎月6万円という積立額は、当時の収入を考えると、決して余裕があったわけではありません。
ただ、振り返ってみると、新しく何かを我慢したというより、無駄をやめただけだったように思います。
ひとつは、先ほど書いた通り、積立型の保険を解約したことで、毎月2万円ほどの固定費がなくなったこと。
もうひとつは、それまで当たり前のように使っていたお金を、見直したことでした。
当時の僕は毎月10万円以上を、特に目的もなく使っていました。外食や飲み会、細かい出費を振り返ると、「なくても困らない支出」が思っていた以上に多かったんです。
投資を始めると決めてからは、そうしたお金の使い方が、自然と減っていきました。
「投資のために我慢した」という感覚よりも、お金の使い道を選ぶようになったという表現のほうが近いかもしれません。
結果として、保険の見直しと日々の支出の整理だけで、毎月6万円ほどの積立資金を確保することができました。
投資と同時に「使うための貯金」も始めた
積立投資を始めるのと同時に、もうひとつ意識して取り入れたことがあります。
それが、あらかじめ「使うと決めたお金」を別で積み立てておくことでした。
具体的には、
- 家族旅行のための積立
- 近い将来に使う可能性があるお金
この2つです。
家族旅行用として、毎月2万円。
そして、車の車検や家電の買い替え、子どもの習い事などに使う可能性のあるお金として、もう2万円を積み立てることにしました。
どちらも目的は同じで、使うときのためのお金です。
この積立を始めた理由は、とてもシンプルでした。
急な出費があったときに、生活費や投資しているお金に手をつけてしまうと、それまで積み上げてきたものが、一気に崩れてしまう可能性があるからです。
あらかじめ「これは使っても良いお金」として分けておくことで、しょうもない理由で、投資をやめたり、生活を不安定にしたりしなくて済む。
これは、当時の自分なりに考えた、投資を長く続けるための工夫でした。
そしてこの仕組みは、2025年の今でも、変わらず続けています。
お金の流れを自動化して作った家計のルール
積立投資や貯金を続けるうえで、もうひとつ大事にしたのが、お金の流れをできるだけ自動化することでした。
意志の力に頼らず、仕組みとして回る状態を作っておかないと、どこかで必ずブレてしまうと思ったからです。
まず、積立投資はすべて自動設定にしました。NISAは毎月10日に積立。iDeCoは毎月末に自動で引き落とされる設定です。
あわせて、旅行用と近い将来使うお金についても、給料日の翌日に自動で別口座へ送金されるようにしました。
送金先には、住信SBIネット銀行を使っています。理由はシンプルで、目的別に口座を分けて管理できるからです。
住信SBIネット銀行では、ひとつの銀行口座の中で、「生活防衛資金」「旅行費」「近い将来使うお金」といった形で、用途ごとにお金を分けて管理できます。
この仕組みにしてからは、このお金は使っていいのか、それとも触らないほうがいいのかを、毎回考える必要がなくなりました。
お金の管理を頑張るというより、考えなくても回る状態を作る、これが、当時決めた家計のルールです。
今振り返って思うこと
今こうして振り返ってみると、あのときの判断は、決してスマートなものではなかったかもしれません。
積立型の保険を解約して投資を始めることに対して、理解してくれる人はほとんどいませんでしたし、「よくやったね」と褒めてくれる人もいませんでした。
それでも、当時の自分なりに悩み、考え、出した結論だったことは間違いありません。
お金の勉強を始めてから、一番大きく変わったのは、お金に対する不安そのものとの向き合い方だったように思います。
なんとなく不安だから備える、よくわからないから任せる、そういった状態から少しずつ抜け出し、自分で考え、判断して行動するようになったこと。
それが結果的に、積立投資を長く続けるための土台になっていたのだと思います。
今なら、あの頃の自分に「よくやった」と、少しだけ声をかけてあげたい気がします。
最後に
この記事で書いたことは、誰にでも当てはまる正解ではありません。
家計の状況も、価値観も、目指す暮らしも、人それぞれ違います。
だから、この記事の内容をそのまま真似することは、正直おすすめしません。
ただ、「投資を始めたいけど不安だ」「何から整えればいいのかわからない」そんな気持ちを抱えている人にとって、ひとつの考え方として、何かのヒントになれば嬉しいです。
この記事の中で何度か触れた「生活防衛資金」「貯金の考え方」については、別の記事で詳しくまとめています。
もしよければ、あわせて読んでみてください。


ブログ自体はまだ手探りで、文章も完璧とは言えませんが、これからも自分なりに学びながら、できるだけ分かりやすく記録していきたいと思っています。

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